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SCENE SECTION
01.死焔 / 02.絡想 / 03.砕願 / 04.対撃・救戯・要塞 / 05.喪失 /
深く舌を絡ませる一哉の溶けるような蹂躙に抵抗しようと口を閉じた直樹は、反射的に彼の唇を噛んでいた。
「ッ…」
舌の上に濃い血の味が広がる。
艶っぽく笑んだ一哉が直樹の後頭を乱暴に掴んだ。
「ん!?……っむ」
ベッドに押し付けられて、さらに深く口内を犯される。
息苦しさに直樹が顔を背けようとしても、一哉の手でしっかりと固定されていて身じろぐこともできない。
儚い吐息を漏らす直樹の下肢に手を伸ばしたところで、いつもと違う感覚に一哉が自我を取り戻す。
手癖でつい伸ばしてしまったその部分には、当然ながら自分と同じモノがついていた。
「……。――なぁ」
「ふ……」
「………。触って欲しい?」
「っ……ぅ」
上気した赤い頬。
潤んだ丸い瞳と、力無く漏らす小さな声が可愛くて、一哉は徐々に本気で直樹を喘がせたくなっていた。
どうでもよかったはずのキスは扇情的で優しくなり、直樹の下肢に触れた指も相手が同性であることを失念したかのように、きわどい部分をなぞり愛撫している。
「んぅ、……っ」
唇をゆっくりと離した一哉が直樹の髪を撫でた。
血の混じった液体が糸を引くのが妙にヤらしい。
こんなに濃厚なキスをしたのは初めてだと思い至って、今更ながら一哉は自責の念に駆られていた。
「おまえさ…」
くすぐるように唇で唇に触れると、直樹が素直に身を震わせる。
抵抗する力が残っていないらしい彼の無垢な反応が愛らしい。
ベビーフェイスの直樹が男心をくすぐる可憐さを持っているのは否めない。
そそられてしまった自分への叱咤を直樹に向けることにした一哉は、固くなった直樹の下肢を衣服越しになぞり、カタチを意識させてから先端をつついた。
「っ…」
「ヨかった?」
目睫の間で囁いてから一哉が身を離した。
血が伝う唇を手の甲で拭って、自分だけでなく直樹も感じていたことを内心で強調する。
触れ合えば興奮するのが動物ってもんだ。
別にそれ以上のなんでもない。
結論が決まって胸がすいた一哉は、早々に頭を切り替えて直樹を見下ろしていた。
ベッドに身を預けたまま動けない直樹は、未だ癒えない苦痛で男のプライドどころではない。
「オレの体液はクスリでもあって毒でもあるんだ。普通の人間には麻薬にもなる…少量なら問題ねぇけど、おまえには相当効くはずだ」
「……」
直樹に言ったことは本当だった。
新人類である一哉の体液は常人にとって劇薬と化す。
身も蓋も無く換言すれば、新人類の体液は耐性のない普通の人間にとって「気が狂うほどの媚薬」となり、麻薬より強く相手を依存させてしまう。
一哉が女性相手に「素」で挿れないのは、避妊以外のそういった事情が大きかった。
シーツの乱れを直してから直樹を寝かせ直して、グースダウンの掛け布団を被せる。
深く舌を絡ませる一哉の溶けるような蹂躙に抵抗しようと口を閉じた直樹は、反射的に彼の唇を噛んでいた。
「ッ…」
舌の上に濃い血の味が広がる。
艶っぽく笑んだ一哉が直樹の後頭を乱暴に掴んだ。
「ん!?……っむ」
ベッドに押し付けられて、さらに深く口内を犯される。
息苦しさに直樹が顔を背けようとしても、一哉の手でしっかりと固定されていて身じろぐこともできない。
儚い吐息を漏らす直樹の下肢に手を伸ばしたところで、いつもと違う感覚に一哉が自我を取り戻す。
手癖でつい伸ばしてしまったその部分には、当然ながら自分と同じモノがついていた。
「……。――なぁ」
「ふ……」
「………。触って欲しい?」
「っ……ぅ」
上気した赤い頬。
潤んだ丸い瞳と、力無く漏らす小さな声が可愛くて、一哉は徐々に本気で直樹を喘がせたくなっていた。
どうでもよかったはずのキスは扇情的で優しくなり、直樹の下肢に触れた指も相手が同性であることを失念したかのように、きわどい部分をなぞり愛撫している。
「んぅ、……っ」
唇をゆっくりと離した一哉が直樹の髪を撫でた。
血の混じった液体が糸を引くのが妙にヤらしい。
こんなに濃厚なキスをしたのは初めてだと思い至って、今更ながら一哉は自責の念に駆られていた。
「おまえさ…」
くすぐるように唇で唇に触れると、直樹が素直に身を震わせる。
抵抗する力が残っていないらしい彼の無垢な反応が愛らしい。
ベビーフェイスの直樹が男心をくすぐる可憐さを持っているのは否めない。
そそられてしまった自分への叱咤を直樹に向けることにした一哉は、固くなった直樹の下肢を衣服越しになぞり、カタチを意識させてから先端をつついた。
「っ…」
「ヨかった?」
目睫の間で囁いてから一哉が身を離した。
血が伝う唇を手の甲で拭って、自分だけでなく直樹も感じていたことを内心で強調する。
触れ合えば興奮するのが動物ってもんだ。
別にそれ以上のなんでもない。
結論が決まって胸がすいた一哉は、早々に頭を切り替えて直樹を見下ろしていた。
ベッドに身を預けたまま動けない直樹は、未だ癒えない苦痛で男のプライドどころではない。
「オレの体液はクスリでもあって毒でもあるんだ。普通の人間には麻薬にもなる…少量なら問題ねぇけど、おまえには相当効くはずだ」
「……」
直樹に言ったことは本当だった。
新人類である一哉の体液は常人にとって劇薬と化す。
身も蓋も無く換言すれば、新人類の体液は耐性のない普通の人間にとって「気が狂うほどの媚薬」となり、麻薬より強く相手を依存させてしまう。
一哉が女性相手に「素」で挿れないのは、避妊以外のそういった事情が大きかった。
シーツの乱れを直してから直樹を寝かせ直して、グースダウンの掛け布団を被せる。
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