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SCENE SECTION

01.死焔 / 02.絡想 / 03.砕願 / 04.対撃・救戯・要塞 / 05.喪失 /


「シ…シオ……っ、……もぉ、…っ」
大粒の涙が零れてしまい、思わず顔を背けようとしたイヴァの顎をシオウが掴んだ。

「欲しかったか…?」

耳元で低くシオウが囁いた。優しく首筋を舐められて、耳を甘咬みされる。

息がかかる。
荒い息づかいと…濡れた舌の音。

「…疼いてたんだろう?」
「っ……ん、…っあ」

シオウの声に背筋がぞくぞくして腰が跳ねる。
疼きと淫靡な誘惑に辛抱しかねたイヴァはあえなく頷き、シオウのものに手を伸ばしてしまう。

「やく……も、…欲しいって…言ってンだろ」
「……」
「シオウ…、っ…なぁ、…早く、…っ、ん」

唇を塞がれ、口内を舌で犯される。
それと同時に一気に押し入ってきたものが中で擦れ、奥まで突き開いた。

「っ……!っ…ん、む」

イヴァのよりずっと大きいシオウのものが敏感な部分に当たって、痺れるような快感が頭に響く。
望んでいた刺激に嬌声を漏らすイヴァを見下ろしたシオウの口角が吊り上がった。

「あ、っ…、っ…あ、…あぁ、んっ…、ぁ」
「…いい声だ」

すこし当たっただけでイきそうで、イヴァが首を振った。
しがみつくみたいにシオウを抱きしめ、自分から腰を揺らしてしまう。

「イ、っ……、あ、…っそ、こ」

何度か強く突き上げてから腰を引き、ヒクついた部分の根元を塞き止めるようにきつく握る。
先端からとろりと零れ落ちた白液がシオウの指を濡らし、ゆっくりと落ちていった。

「あ、…、っ…い、っ…やだ、っ…、や…シオ…」
「イヴァ…」

快楽でとろけたようなイヴァの表情。
唇をなぞるように舐めてから、深く舌を絡ませる。

「ん、ふ…ッ、……ぅ」

擦りつけて、突き上げて。
イヴァの感じやすい部分を自身で刺激しながら、腕の中で喘ぐ姿を見下ろす。
激しい動きで軋んだベッドが甲高い音で鳴り、水気を含んだ音と交ざる。

「あ、っ…、はぁ…っ、あ…っ、ッ…イ、ぁ」
「…イヴァ」

涙で潤んだ瞳の上、瞼にキスを落とす。
唇が離れるか否かのところで瞳を開けたイヴァが顎を上げ、吐息交じりのキスを返した。

「シ、…っ、オ…」

シオウの首筋を舐めて灰紫の柔らかい髪の中に鼻を埋めると、彼の匂いと熱さが鼻腔をくすぐる。

「シオウ…」

胸が熱い――――溶けそうだ。
身体とは別の、もっと奥に染み入るような情感をどう表現すればいいのかと、適当な言葉を思い浮かべる。
シオウに触れられた部分が全部疼くのは、ただ気持ちいいからじゃない。

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