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SCENE SECTION

01.死焔 / 02.絡想 / 03.砕願 / 04.対撃・救戯・要塞 / 05.喪失 /


胸に嵌められた小さな枷は「専有」の印だ。
快楽の遊戯に過ぎないかもしれないが、それでも腹背を抱いたイヴァはずっとそれを受け入れなかった。

イヴァがそうした反抗を見せるたび、シオウは何度でも彼に縛めを与えた。
甘美な痛みを快楽と混同するまで、何度でも――――。

「外すと…、っ…てめぇが、ヘンなこと…、っ…するから」
「それでいい」

しつこいくらい刺激され、舌先で転がされて歯を立てられて、たまらなくなった下肢を指で追い詰められて…シーツを掴んだイヴァが身を捩じらせる。

「あ、っ…、っ…ぁ、シ、シオ…、っ…」

シオウの後ろ髪を掴んだイヴァが腰を寄せる。
背筋を走るくすぐったい感覚に耐え切れず、もがくように両足をシーツに滑らせてしまう。

「い、やだ…っ、っ……そこ、っ…や」
「早いな。もう…こんなに」
「あ、っ……、っ……ぁ」
「疼くか…?」

シオウが笑んだ。
その表情に期待し、ぞくぞくしてしまう自分が信じられない。
火がついてしまった身体は切実に彼を求め、理性を侵してくる。

こんなの、我慢できるわけない――――早く。

求める視線は熱に潤み、艶っぽく、卑猥になる。
自分が今どんな表情をシオウに見せているのかなんて考えたくもない。
ただ素直な欲求に従い、イヴァはシオウを強く抱き寄せていた。

「う、るせ…。っ…い、れろよ、早く…っ」
「……」

張り詰め勃ち上がったイヴァの下肢から指を離し、白く濡れた爪先を舐める。
瞳を合わせたまま見せつけるように指を濡らして、硬く閉じた入り口に指先をすこしだけ挿入させると、そのままゆっくりと中を押し広げていく。

「ん…っ、…っ」

ものを入れる場所ではないはずの内壁を擦られ、甘い声が漏れてしまう。
ずっと否定し続けてきた快感は、日を増すごとに強くなり、堪らなくなっていく。
我慢しているつもりなのに、気付けばせがむように腰を浮かしてしまう。
内壁の奥が疼いて、時間をかけて快楽を覚えさせられた深い場所にじわじわと広がっていく。

「この…裏側」
「っ…あ、っ…!」  

シオウの指の腹が感じやすい部分を擦り上げ、内壁を押し上げたまま静止する。

「い、っ…、っ…、や、…ぁ」

敏感な部分を強く突かれ、たまらずに背中を反らせたイヴァを静かに見下ろしたまま、ゆっくりと言葉を落とす。

「こうしておいてやる」
胸に舌を這わせ、ピンク色の先端を咬む。

「ん、っ…ん、…っく」
「ここでイけるだろう?…早くしろ」
「そ、な…っ…、あ、……っぃ、てぇ、よ…っ」

ピアスを引っ張るように啄まれ、イヴァが首を振る。

「痛、っ…あ、…っ、切れ、…っぁ」
「早くしろ。食いちぎられたいのか」
「っ……、ん、……く」

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