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SCENE SECTION
01.痛み / 02.潜入 / 03.ジャッジ / 04.焔魔 / 05.偽りの理由 /
06.遺恨 / 07.欠陥 / 08.恋人
――――絶対に「秘密」があるはずだ。
あいつには。
レインには――――裏がある。
サイトカインの欠損、染色体異常、遺伝子の突然変異。
多くの遺伝子疾患がありながらも、俺たち「新人類」は、スピリッツによって生み出された未知の高分子化合物によって免疫系の調節、細胞増殖、分化、抑制といった生体の恒常性維持を可能にし、通常の能力者の数倍から数万倍の早さで創傷治癒までも行うことができる。
新人類の驚異を知らない者でも、この常識離れした塩基配列を見れば一目瞭然。
俺達が「NBCA(大量破壊兵器)」だの「神」だの、バケモノ呼ばわりされるのも仕方ない。
だが、こんなもんはまだ…あいつ の「醜悪な実態」を示すたった一片のピースでしかない。
俺たちは人間としての形を無理やり保っているに過ぎない――これは事実だ。
「新人類」と呼ばれる俺達がイレギュラーであるかぎり、あいつは完璧じゃない。
人間の形であるかぎり 。
俺と沙羅はともかくとして、あいつは自然界の理法に反し過ぎてる。
レインほど、スピリッツを身体になじませている人間はいない。
スピリッツは本来、生物の構成に存在しないはずの「欠陥」でしかないんだ。
能力者はみんな、そのリスクを身体に負ってる。
だからこそ短命で、スピリッツを使ってる間は身体に大きく負担をかけるし、極端に言えば生命そのものを削ってることにだってなる。
なのに、あいつは焔の具現化だけじゃない。
身体強化、五感強化にもスピリッツを使ってる。
それも尋常じゃない量の…通常の能力者の何千倍ものスピリッツを、一瞬で消費してる。
そうでなきゃ、あんなに強いはずがないんだ。
あいつの戦闘時の能力値は、人間のそれとは違う。
「神」の力をほぼ完璧に、ヒトの身体で体現してやがる。
そんな無茶が通るはずがない。
この世界に摂理がある限り、反作用は必ず起きる。
「見つけてやる」
――――「弱点」を。
DNA断片をクローニングさせ、最新の方法によって決定された膨大な塩基配列を、目に入れると同時に記憶し、己のシークエンスと比較する。
自分の塩基配列なら全部暗記してる。
悪いとは思うけど…沙羅のも。
俺と沙羅に、生物としての大差はない。
――――どこだ。
「欠けている」のは。
あるはずだ。絶対に。
俺にも、沙羅にもない…
――――重大な欠陥が。
殺人への抵抗感を克服しようとしない「善」は、
否定しようのない「悪」に直面すれば、
最後には破滅するしかないのかもしれない。
自由と正義と真理を重んじるなら、
この世界に「もうひとつの力」が野放しになっていることにきづかねばならない。
――――デーヴ・グロスマン
「The Psychological Cost of Learning to Kill in War and Society」
そうだ。
抵抗しようのない欲求が――――破壊への衝動があることを、認めない日はない。
俺の身体に在る全てが、喉が渇くみたいに。
欲しがる。
血を。
――――快楽を。
俺は――――イカれてる。
一歩足を進めると、黒いブーツに水がはねた。
熱で溶けた氷柱は水となり、コンクリートを流れ、滝のように排水溝へと落ちていく。
水面に映った黒い影。
漆黒の軍服に身を包んだレインは、対峙する男の放つ凍てつくようなスピリッツをじっと見つめ、それから暫くして、堪え切れない様子でゆっくりと口角を上げた。
そんな彼の表情を見咎めた驍氷は、彼の放つ異様な威圧感に肌を焼かれながらも、蠱惑的な紅い瞳に魅入られ、ただ凝然と佇立している。
「面白いスピリッツだ。…氷の能力者(ブリジット・マスター)、か」
そう言い、紅いスピリッツを滾らせながら、また一歩とレインが近付くと、漸く金縛りが解けたかのように驍氷は肩を揺らし、一歩後退した。
そうしてから、驍氷は訝しげに眉根を寄せ、自然と彼から距離をとった己の反応を一考してみたが、それは恐怖によるものではない、と――そう自己判断する。
「破壊(ホロコースト)のレイン・エル…あんた中毒(ジャンキー)なんだってな」
レインが感興をそそられたように片眉を上げた。
僅かに首を傾げ、驍氷から視線を外さないまま問いかける。
「……。何の話だ」
「有名だぜ、解ってんだろう…あんたが、一番…さ」
「……」
驍氷の身体に視線を這わせ、沈黙にたっぷりと含みをもたせてから、ふと瞳を細める。
「そうだな…。ほしいモノならある」
ハスキーな声を吐息と共に漏らし、付言する。
「…堪らなく欲しくなるんだ」
レインは言下にコートを掴むと、後方に投げ捨てた。
そんな彼の一挙一動を注視してしまう己に苦笑しつつも、驍氷は今目の前にいる男が間違いなく悪名高き「blaze」であることを実感していた。
※ (スラングで「マリファナ」の意。焔の能力者(blaze master)とかけて悪しざまに言った呼び名)
――――反則だぜ。
ホンモノってのは、こうも立体映像(ホログラム)やクローンと違うもんなんだな。
「セックス・ジャンキー。…一度あんたとヤッたら、相手もヤミツキだって?」
侮蔑的な態度で嘲笑う驍氷に、しかしレインは動じない。
身じろぎもせず、ただじっと驍氷を熟視している。
その視線に身体が熱くなり、驍氷は小さく舌打ちすると、髪を乱し上げながらレインを睨んだ。
だが、対するレインは艶っぽい笑みを湛えたまま、まるで玩弄するかの如く驍氷を見つめ、時折紅いスピリッツを撫でるようにしながら佇んでいる。
「ヤんないと理性がもたないんだってな。…皆知ってるぜ」
「……」
「殺しかセックス――どっちかが無くなったら狂っちまう。イカれた変態野郎だってな」
「……」
レインは俄かに白い指先を自身の頭くらいの高さまで上げ、それを宙に滑らせた。
つい、と空を横に切った爪先が、紅い軌道を残す。
――――焔。
紅焔が白肌を紅く染め、柔らかい熱風が黒髪を揺らす。
「……すこし違う」
ぴちゃん、と天井から水が滴った。
レインの周囲に発せられた熱が、地下空間の温度を上昇させている――気化した水は霧となり、仄かな紅に染められ、まるで薄いシルクのヴェールのようにレインを覆っていく。
刹那。
その姿が、驍氷の眼前から消えた。
微動だにもしなかった彼が、ほんの一瞬で完全に消失したということに驚愕すると同時に、彼の気配を探り、五感を研ぎ澄ませる。
だが、本能が告げる「警告」が驍氷を急かし、空間全体から放たれる冷たい殺意がじわりと骨にまで沁み込んでくる。
吐き気がするほどの緊張感と、魔族のそれにも似た瘴気は、一帯の空気全てに流れ出し、レイン・エルという存在をより大きく感じさせる。
背後、前方、右、左…上空。
どこだ。
あんな強大なスピリッツを放ちながら、こんなに完璧に姿を消せるわけが――
「それがなきゃ、「狂っちまう」わけじゃない」
驍氷の耳元で、レインがそう囁いた。
反射的に反対側へ跳び退こうとした驍氷の腕を掴んだのは、焔だった。
真っ赤な焔。
熱を感じるよりも前に、驍氷は確かに聞いた。
低く、喉の奥から堪え切れずに発せられたような――嗤い声を。
「とっくに狂ってるんだよ――俺は」
左腕を焔に喰われ、驍氷は声なき悲鳴を上げた。
いくら腕を引きもがこうとも、彼の手を掴んだレインはその手を放そうとしない。
左腕に食い込んだ白い指先を右手で殴打し、驍氷はレインを鋭く睨みつけた。
「っ…化けモンが…!!」
「…心外だな」
掴んだ手を放したと同時に踏み込んだレインは身体を反転させ、その勢いのままに左足を鞭のようにしならせる。
焼け爛れた左腕を庇いつつも右腕でそれを受け止めた驍氷は、攻撃によって生じた僅かな隙に反撃の余地を見出し、踏み込んで距離を詰め、怒涛の連撃を繰り出した。
礫(つぶて)のように襲い来る驍氷の攻撃を躱すレインは、後方の壁に向かって徐々に後退する他ない。
反撃の機を与えまいとする驍氷は、レインの周囲に無数の氷の刃を召喚すると、後方、上空、左右からも筵(むしろ)と化したそれを次々と浴びせかけ、レインの動きを封じにかかる。
レイン・エルの最大の武器は「焔」だ。
それさえ放たせなければ、勝機はある。
スピードも攻撃力も確かに尋常じゃないが…接近戦にもちこめば視える。
―― 一気にキめてやる…!
ついにレインは壁に背を当てるに至り、驍氷は口角を上げた。
ここで油断をして好機を逃せば戦況は一変する。今しかない。
レインが背を当てたと同時に召喚した氷柱が上空から降り落ち、轟音と共にレインの周囲を檻のように囲った。
白い冷気に囲まれたレインが焔を召喚するよりも早く、驍氷が吼える。
「氷花波浪…!!」
両手首を合わせ、両掌を開き前方に突き出すと、そこから爆発的に発せられた冷気が幾重にも連なりながら円形に広がり、瞬く間に巨大な花被型になる。
氷の花被を形成している数万の花弁が縦横無尽に飛び散り、怒涛の如くレインに向かって押し寄せた。
――――絶対に「秘密」があるはずだ。
あいつには。
レインには――――裏がある。
サイトカインの欠損、染色体異常、遺伝子の突然変異。
多くの遺伝子疾患がありながらも、俺たち「新人類」は、スピリッツによって生み出された未知の高分子化合物によって免疫系の調節、細胞増殖、分化、抑制といった生体の恒常性維持を可能にし、通常の能力者の数倍から数万倍の早さで創傷治癒までも行うことができる。
新人類の驚異を知らない者でも、この常識離れした塩基配列を見れば一目瞭然。
俺達が「NBCA(大量破壊兵器)」だの「神」だの、バケモノ呼ばわりされるのも仕方ない。
だが、こんなもんはまだ…
俺たちは人間としての形を無理やり保っているに過ぎない――これは事実だ。
「新人類」と呼ばれる俺達がイレギュラーであるかぎり、あいつは完璧じゃない。
俺と沙羅はともかくとして、あいつは自然界の理法に反し過ぎてる。
レインほど、スピリッツを身体になじませている人間はいない。
スピリッツは本来、生物の構成に存在しないはずの「欠陥」でしかないんだ。
能力者はみんな、そのリスクを身体に負ってる。
だからこそ短命で、スピリッツを使ってる間は身体に大きく負担をかけるし、極端に言えば生命そのものを削ってることにだってなる。
なのに、あいつは焔の具現化だけじゃない。
身体強化、五感強化にもスピリッツを使ってる。
それも尋常じゃない量の…通常の能力者の何千倍ものスピリッツを、一瞬で消費してる。
そうでなきゃ、あんなに強いはずがないんだ。
あいつの戦闘時の能力値は、人間のそれとは違う。
「神」の力をほぼ完璧に、ヒトの身体で体現してやがる。
そんな無茶が通るはずがない。
この世界に摂理がある限り、反作用は必ず起きる。
「見つけてやる」
――――「弱点」を。
DNA断片をクローニングさせ、最新の方法によって決定された膨大な塩基配列を、目に入れると同時に記憶し、己のシークエンスと比較する。
自分の塩基配列なら全部暗記してる。
悪いとは思うけど…沙羅のも。
俺と沙羅に、生物としての大差はない。
――――どこだ。
「欠けている」のは。
あるはずだ。絶対に。
俺にも、沙羅にもない…
――――重大な欠陥が。
殺人への抵抗感を克服しようとしない「善」は、
否定しようのない「悪」に直面すれば、
最後には破滅するしかないのかもしれない。
自由と正義と真理を重んじるなら、
この世界に「もうひとつの力」が野放しになっていることにきづかねばならない。
――――デーヴ・グロスマン
「The Psychological Cost of Learning to Kill in War and Society」
そうだ。
抵抗しようのない欲求が――――破壊への衝動があることを、認めない日はない。
俺の身体に在る全てが、喉が渇くみたいに。
欲しがる。
血を。
――――快楽を。
俺は――――イカれてる。
一歩足を進めると、黒いブーツに水がはねた。
熱で溶けた氷柱は水となり、コンクリートを流れ、滝のように排水溝へと落ちていく。
水面に映った黒い影。
漆黒の軍服に身を包んだレインは、対峙する男の放つ凍てつくようなスピリッツをじっと見つめ、それから暫くして、堪え切れない様子でゆっくりと口角を上げた。
そんな彼の表情を見咎めた驍氷は、彼の放つ異様な威圧感に肌を焼かれながらも、蠱惑的な紅い瞳に魅入られ、ただ凝然と佇立している。
「面白いスピリッツだ。…氷の能力者(ブリジット・マスター)、か」
そう言い、紅いスピリッツを滾らせながら、また一歩とレインが近付くと、漸く金縛りが解けたかのように驍氷は肩を揺らし、一歩後退した。
そうしてから、驍氷は訝しげに眉根を寄せ、自然と彼から距離をとった己の反応を一考してみたが、それは恐怖によるものではない、と――そう自己判断する。
「破壊(ホロコースト)のレイン・エル…あんた中毒(ジャンキー)なんだってな」
レインが感興をそそられたように片眉を上げた。
僅かに首を傾げ、驍氷から視線を外さないまま問いかける。
「……。何の話だ」
「有名だぜ、解ってんだろう…あんたが、一番…さ」
「……」
驍氷の身体に視線を這わせ、沈黙にたっぷりと含みをもたせてから、ふと瞳を細める。
「そうだな…。ほしいモノならある」
ハスキーな声を吐息と共に漏らし、付言する。
「…堪らなく欲しくなるんだ」
レインは言下にコートを掴むと、後方に投げ捨てた。
そんな彼の一挙一動を注視してしまう己に苦笑しつつも、驍氷は今目の前にいる男が間違いなく悪名高き「blaze」であることを実感していた。
※ (スラングで「マリファナ」の意。焔の能力者(blaze master)とかけて悪しざまに言った呼び名)
――――反則だぜ。
ホンモノってのは、こうも立体映像(ホログラム)やクローンと違うもんなんだな。
「セックス・ジャンキー。…一度あんたとヤッたら、相手もヤミツキだって?」
侮蔑的な態度で嘲笑う驍氷に、しかしレインは動じない。
身じろぎもせず、ただじっと驍氷を熟視している。
その視線に身体が熱くなり、驍氷は小さく舌打ちすると、髪を乱し上げながらレインを睨んだ。
だが、対するレインは艶っぽい笑みを湛えたまま、まるで玩弄するかの如く驍氷を見つめ、時折紅いスピリッツを撫でるようにしながら佇んでいる。
「ヤんないと理性がもたないんだってな。…皆知ってるぜ」
「……」
「殺しかセックス――どっちかが無くなったら狂っちまう。イカれた変態野郎だってな」
「……」
レインは俄かに白い指先を自身の頭くらいの高さまで上げ、それを宙に滑らせた。
つい、と空を横に切った爪先が、紅い軌道を残す。
――――焔。
紅焔が白肌を紅く染め、柔らかい熱風が黒髪を揺らす。
「……すこし違う」
ぴちゃん、と天井から水が滴った。
レインの周囲に発せられた熱が、地下空間の温度を上昇させている――気化した水は霧となり、仄かな紅に染められ、まるで薄いシルクのヴェールのようにレインを覆っていく。
刹那。
その姿が、驍氷の眼前から消えた。
微動だにもしなかった彼が、ほんの一瞬で完全に消失したということに驚愕すると同時に、彼の気配を探り、五感を研ぎ澄ませる。
だが、本能が告げる「警告」が驍氷を急かし、空間全体から放たれる冷たい殺意がじわりと骨にまで沁み込んでくる。
吐き気がするほどの緊張感と、魔族のそれにも似た瘴気は、一帯の空気全てに流れ出し、レイン・エルという存在をより大きく感じさせる。
背後、前方、右、左…上空。
どこだ。
あんな強大なスピリッツを放ちながら、こんなに完璧に姿を消せるわけが――
「それがなきゃ、「狂っちまう」わけじゃない」
驍氷の耳元で、レインがそう囁いた。
反射的に反対側へ跳び退こうとした驍氷の腕を掴んだのは、焔だった。
真っ赤な焔。
熱を感じるよりも前に、驍氷は確かに聞いた。
低く、喉の奥から堪え切れずに発せられたような――嗤い声を。
「とっくに狂ってるんだよ――俺は」
左腕を焔に喰われ、驍氷は声なき悲鳴を上げた。
いくら腕を引きもがこうとも、彼の手を掴んだレインはその手を放そうとしない。
左腕に食い込んだ白い指先を右手で殴打し、驍氷はレインを鋭く睨みつけた。
「っ…化けモンが…!!」
「…心外だな」
掴んだ手を放したと同時に踏み込んだレインは身体を反転させ、その勢いのままに左足を鞭のようにしならせる。
焼け爛れた左腕を庇いつつも右腕でそれを受け止めた驍氷は、攻撃によって生じた僅かな隙に反撃の余地を見出し、踏み込んで距離を詰め、怒涛の連撃を繰り出した。
礫(つぶて)のように襲い来る驍氷の攻撃を躱すレインは、後方の壁に向かって徐々に後退する他ない。
反撃の機を与えまいとする驍氷は、レインの周囲に無数の氷の刃を召喚すると、後方、上空、左右からも筵(むしろ)と化したそれを次々と浴びせかけ、レインの動きを封じにかかる。
レイン・エルの最大の武器は「焔」だ。
それさえ放たせなければ、勝機はある。
スピードも攻撃力も確かに尋常じゃないが…接近戦にもちこめば視える。
―― 一気にキめてやる…!
ついにレインは壁に背を当てるに至り、驍氷は口角を上げた。
ここで油断をして好機を逃せば戦況は一変する。今しかない。
レインが背を当てたと同時に召喚した氷柱が上空から降り落ち、轟音と共にレインの周囲を檻のように囲った。
白い冷気に囲まれたレインが焔を召喚するよりも早く、驍氷が吼える。
「氷花波浪…!!」
両手首を合わせ、両掌を開き前方に突き出すと、そこから爆発的に発せられた冷気が幾重にも連なりながら円形に広がり、瞬く間に巨大な花被型になる。
氷の花被を形成している数万の花弁が縦横無尽に飛び散り、怒涛の如くレインに向かって押し寄せた。
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