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SCENE SECTION

01.死焔 / 02.絡想 / 03.砕願 / 04.対撃・救戯・要塞 / 05.喪失 /


枕に鼻先を埋めたレインは、それをブラッドと勘違いしている。
彼は寝入りにブラッドがいなければ熟睡できず、眠ってからもくっついて離れない。

そんなレインが心配で憂患してしまう己の過保護さには、つくづく溜息が出る。
苦笑交じりに顔を上げたブラッドは、静かに扉を見据えていた。



できることは…済ませないとな。



こうなる予感はあった。
鏡で現実を直視する以前から、本当は気がついていた。
だからCPに向かう廊下でレインにあんなことを言ったんだろうと感懐する。



ベッドから下りたブラッドは心の底から発露する感情に揺さぶられ、自然と言葉を零していた。



「Lo siento….」

















Darkness cannot drive out darkness; only light can do that.
Hate cannot drive out hate; only love can do that.

闇で闇を追い払うことはできない。光のみがそれを可能にする。
憎しみで憎しみを追い払うことはできない。ただ愛のみが、それをなしうる。

――――Martin Luther King, Jr


















――――第4章「黒焔の破壊者 後編」へ――――

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