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SCENE SECTION
01.死焔 / 02.絡想 / 03.砕願 / 04.対撃・救戯・要塞 / 05.喪失 /
それぞれに武装しているが、彼らに定められた軍服はない。
私服に銃器を手にした粗野な風貌は「ならず者」「無法者」といった、退廃的な表現が適切だった。
しなやかなレインの肢体に視線を這わせた1人が口角を上げて鼻を鳴らす。
「Hey! bitch. またウチのボスのを咥えに来たのか?」
隣の男が失笑した。
地面に座っていた連中も加わって、数人が嗤笑混じりにレインを囲む。
「いいねぇ…ボスとなにしてンの?」」
「中央のイヌが、生意気に女王様気取りじゃたまんねぇんだよ。…なぁ、レイン。ボス誑かしてなにする気だ?単純にアレが好きなだけとか言っちゃう?」
柳眉を片方だけ上げたレインが男たちに視線を流すと、莫迦にしたような歓声が上がる。
「…ヴァンに会いたい。どこにいる」
正面の男に問いかけたレインの肩に後ろから触れようとした手を、さらにその後方から伸びた手が制止した。
振り払おうとしても微動だにせず、忌々しそうに振り返った男が背後のブラッドに食ってかかる。
「なンだよ。放せ」
「言論の自由ってヤツは認めるぜ、アルトゥーロ。でもそれ以上はルール違反だ…俺たちは協力関係にある。そうだろ?」
ブラッドの温容にはしっかりと威圧が込められている。
一触即発の緊迫した空気を破ったのは、一際大きい蛮声だった。
「レイン!よく来たな」
ラフなブロンドに白い肌、スカイブルーの瞳をした男が破顔一笑しながら歩み寄ってくる。
ブラッドと同じくらいの体躯は雄々しく頑健で、引き連れてきた男たちより一回り大きい。
頤を叩いていた連中を豪快に弾き飛ばした彼は、そのままの勢いでレインをがっちりと抱擁した。
抵抗する間もなく抱きすくめられ黒髪を逆立てたレインは、逞しい腕に圧迫されてもがいている。
「レイン…。会いたかった。もう放さない」
「っ……、っ……」
華奢なレインの上半身は男を引き剥がそうと健闘する腕以外見えず、顔も頭も完全に埋まっている。
「よし、結婚しよう。今すぐしよう。男同士でも大丈夫だ、俺の国では同性結婚なんて日常茶飯事!俺たちにはなんっの障害もない!」
「っ……、……っ」
「心配するな、浮気如きでいちいち腹を立てたりもしないぞ?ブラッドとヤッてもいいし、お前が望むなら3Pも可だ。パラダイスだろ?」
もがいていた白い手が無念にも下に落ちたのを見咎めて、ブラッドがようやく助け舟を出した。
「あ〜…話があるんだ、ヴァン。とりあえずそいつ放してくれないか。――――死んじゃう」
それぞれに武装しているが、彼らに定められた軍服はない。
私服に銃器を手にした粗野な風貌は「ならず者」「無法者」といった、退廃的な表現が適切だった。
しなやかなレインの肢体に視線を這わせた1人が口角を上げて鼻を鳴らす。
「Hey! bitch. またウチのボスのを咥えに来たのか?」
隣の男が失笑した。
地面に座っていた連中も加わって、数人が嗤笑混じりにレインを囲む。
「いいねぇ…ボスとなにしてンの?」」
「中央のイヌが、生意気に女王様気取りじゃたまんねぇんだよ。…なぁ、レイン。ボス誑かしてなにする気だ?単純にアレが好きなだけとか言っちゃう?」
柳眉を片方だけ上げたレインが男たちに視線を流すと、莫迦にしたような歓声が上がる。
「…ヴァンに会いたい。どこにいる」
正面の男に問いかけたレインの肩に後ろから触れようとした手を、さらにその後方から伸びた手が制止した。
振り払おうとしても微動だにせず、忌々しそうに振り返った男が背後のブラッドに食ってかかる。
「なンだよ。放せ」
「言論の自由ってヤツは認めるぜ、アルトゥーロ。でもそれ以上はルール違反だ…俺たちは協力関係にある。そうだろ?」
ブラッドの温容にはしっかりと威圧が込められている。
一触即発の緊迫した空気を破ったのは、一際大きい蛮声だった。
「レイン!よく来たな」
ラフなブロンドに白い肌、スカイブルーの瞳をした男が破顔一笑しながら歩み寄ってくる。
ブラッドと同じくらいの体躯は雄々しく頑健で、引き連れてきた男たちより一回り大きい。
頤を叩いていた連中を豪快に弾き飛ばした彼は、そのままの勢いでレインをがっちりと抱擁した。
抵抗する間もなく抱きすくめられ黒髪を逆立てたレインは、逞しい腕に圧迫されてもがいている。
「レイン…。会いたかった。もう放さない」
「っ……、っ……」
華奢なレインの上半身は男を引き剥がそうと健闘する腕以外見えず、顔も頭も完全に埋まっている。
「よし、結婚しよう。今すぐしよう。男同士でも大丈夫だ、俺の国では同性結婚なんて日常茶飯事!俺たちにはなんっの障害もない!」
「っ……、……っ」
「心配するな、浮気如きでいちいち腹を立てたりもしないぞ?ブラッドとヤッてもいいし、お前が望むなら3Pも可だ。パラダイスだろ?」
もがいていた白い手が無念にも下に落ちたのを見咎めて、ブラッドがようやく助け舟を出した。
「あ〜…話があるんだ、ヴァン。とりあえずそいつ放してくれないか。――――死んじゃう」
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