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SCENE SECTION
01.痛み / 02.潜入 / 03.ジャッジ / 04.焔魔 / 05.偽りの理由 /
06.遺恨 / 07.欠陥 / 08.恋人
どうか、黙って。
ただ愛させてくれ。
――――ジョン・ダン
08.恋人
転送装置は、それをあらかじめ設置して、結んだ地点でのみ効力を発揮する。
ブラッドが降り立ったのは、ナイプのウラジーミル支部。
メイン・ストリート、ボリシャヤ・モスコフスカヤ通りを横道に抜けた、ウォーター・タワーのそばにある。
突然の元帥・総帥の訪問に現地のエージェントたちは慌てたものの、ブラッドは一言、二言会話を交わしただけで、すぐに特別室へ入ってしまった。
そのうえレインが――――ぐったりと瞳を綴じたままブラッドに抱かれていたレインの姿に、エージェントたちは動揺を隠せないでいた。
「レイン」
呼んでみても、意識がほとんど残っていないレインは反応を返さない。
――――くそ…。
ソファに寝かせてやって、上に覆いかぶさる。
肌蹴たシャツ。
白い肌に残る赤い痕。
ブラッドが眉根を寄せた。
「なに考えてんだ、おまえ…っ」
乱暴に服を剥がして、首筋に――――唇に、キスを落とす。
下肢に触れて…。
痣のような、ひどい痕。
それも複数の…。
先端から零れたもので指を濡らしてから、そこに――――指を滑り込ませる。
細い腰がはねて、レインが小さく喘いだ。
紅い瞳が、ぼんやりとブラッドを映す。
「っ………、ん……」
「わかるか、レイン」
「……、っ……あ」
「……。レイン…」
せがむように腰を寄せてくるレインに荒く口付けて、先端からゆっくりと――――抜き差しする。
「っ…、っ……ん、ぅ」
「おまえ、何人とヤッたんだ」
「っ……ふ……」
「ぐちゃぐちゃだぜ――――ここ」
奥まで一気に自身を入れ込んで、レインの両足を持ち上げる。
体重がかかるように肩まで膝を持ち上げて、上から奥に擦り当てる。
「あ、っ…!……ん、…ぁ、っ……あぁ、ん」
「自分から腰振ったのか?…そうやって」
「ひ、っ………ぁ」
身体が、挿入されたものの快感で震える。
ブラッドの持つフォースが流れてくる。
その感覚があまりにも強すぎて…麻薬みたいに、身体を蝕む。
快楽。
それしか、感じられなくて――――。
「あぁっ、…あ、っ…イ…、も、っ…イ、く」
「…レイン」
抱き寄せられて、下肢を優しく刺激されて――――果てた部分をすぐにまた、刺激される。
長い、ブラッドの指。
絶妙にいいところをついてくる彼は、レインの身体を知り尽くしている。
「ん、っ…ん、っ……あ」
「藤間にもヤらせるつもりだったのか?ずいぶん節操ねぇな」
「ひ…っ、ぁ」
前も後ろも、イイところばかりを容赦なく刺激されて、乱暴なくらいの強さで腰を打ち付けられる。
快楽が強すぎて、ただただ、ブラッドの背中を強く抱きしめる。
「イ…、……あっ、…はぁ…っ、…め……、っ……また、イッ……」
「好きなだけイッていいぜ。…そうしてほしいんだろ?」
「っ…あぁっ……」
焦点が合ってない紅い瞳がら、大粒の涙が零れる。
嗚咽交じりの甘ったるい喘ぎ声が、ブラッドを煽る。
「は、っ………ぁ、っ………ぁん、めて……っ、……いや」
「嘘つきだな」
首筋に喰いつくみたいにキスをして、赤い痕を落とす。
黒髪を長い指で乱すように撫でて、掴んで…深いところを執拗に突いてやる。
「イ、っ……ぁん、っ……ひ」
「そんなに俺に責められたいか…レイン」
腕の中でただ翻弄されるがままのレインは、苦しいくらいの快楽に喘いで、答えられる状態なんかじゃない。
まして、フォースに飢えた今の彼に、正常な意識があるのかどうかなんて解らない。
だけど…。
ブラッドが眉根を寄せた。
はっきり言って、頭にきてる。
こいつが複数を相手にヤッたってことは、すこし身体に触れればわかる。
望んでじゃないだろう。そんなことは解ってる。
フォースが尽きる寸前まで、俺になんの助けも求めてこなかった。
それがどんな結果を生むのかなんて、こいつが一番わかってるはずなのに。
知られちゃいけないことだった。
李でさえ知らない、レインの最大の欠点。
それをよりによって、あいつの――――藤間の前で。
なにより。
嘘をついた。
俺にだけじゃない――――全員に。
自分で仕組んだ今度の件が、中央にバレる可能性にだっておまえは気づいていて、十中八九そうなると、解っていたはずだ。
それでも強行した。
まるで、自分で自分を追い込むみたいに…。
「そうじゃないだろう」
「っ…、あ、っ…んン」
「なんでだ、レイン」
わかってる。
こいつは不安なんだ。
自分が変わってしまうことが。
自分が大切な誰かを殺してしまうんじゃないかという恐怖が――――頭から離れないんだ。
解ってる。…俺は。
――――わかってるんだ。
「なんで一人で抱え込む」
抱き寄せて――――耳朶を齧る。
「おまえは…そんなに強くないだろ…レイン」
「っ……ん、っ……」
「意地張った結果だ、莫迦」
「…、っ……あ……」
荒い、息。
ブラッドのものが中に放たれて、レインが強く瞳を綴じた。
乾いていたものが、満たされていく感覚。
絶頂の快感にも似た強烈なこの感覚を、身体はいつも…求めてしまう。
能力者のフォースが注ぎ込まれるから。理屈はそうかもしれない。
だけど――――。
どうか、黙って。
ただ愛させてくれ。
――――ジョン・ダン
08.恋人
転送装置は、それをあらかじめ設置して、結んだ地点でのみ効力を発揮する。
ブラッドが降り立ったのは、ナイプのウラジーミル支部。
メイン・ストリート、ボリシャヤ・モスコフスカヤ通りを横道に抜けた、ウォーター・タワーのそばにある。
突然の元帥・総帥の訪問に現地のエージェントたちは慌てたものの、ブラッドは一言、二言会話を交わしただけで、すぐに特別室へ入ってしまった。
そのうえレインが――――ぐったりと瞳を綴じたままブラッドに抱かれていたレインの姿に、エージェントたちは動揺を隠せないでいた。
「レイン」
呼んでみても、意識がほとんど残っていないレインは反応を返さない。
――――くそ…。
ソファに寝かせてやって、上に覆いかぶさる。
肌蹴たシャツ。
白い肌に残る赤い痕。
ブラッドが眉根を寄せた。
「なに考えてんだ、おまえ…っ」
乱暴に服を剥がして、首筋に――――唇に、キスを落とす。
下肢に触れて…。
痣のような、ひどい痕。
それも複数の…。
先端から零れたもので指を濡らしてから、そこに――――指を滑り込ませる。
細い腰がはねて、レインが小さく喘いだ。
紅い瞳が、ぼんやりとブラッドを映す。
「っ………、ん……」
「わかるか、レイン」
「……、っ……あ」
「……。レイン…」
せがむように腰を寄せてくるレインに荒く口付けて、先端からゆっくりと――――抜き差しする。
「っ…、っ……ん、ぅ」
「おまえ、何人とヤッたんだ」
「っ……ふ……」
「ぐちゃぐちゃだぜ――――ここ」
奥まで一気に自身を入れ込んで、レインの両足を持ち上げる。
体重がかかるように肩まで膝を持ち上げて、上から奥に擦り当てる。
「あ、っ…!……ん、…ぁ、っ……あぁ、ん」
「自分から腰振ったのか?…そうやって」
「ひ、っ………ぁ」
身体が、挿入されたものの快感で震える。
ブラッドの持つフォースが流れてくる。
その感覚があまりにも強すぎて…麻薬みたいに、身体を蝕む。
快楽。
それしか、感じられなくて――――。
「あぁっ、…あ、っ…イ…、も、っ…イ、く」
「…レイン」
抱き寄せられて、下肢を優しく刺激されて――――果てた部分をすぐにまた、刺激される。
長い、ブラッドの指。
絶妙にいいところをついてくる彼は、レインの身体を知り尽くしている。
「ん、っ…ん、っ……あ」
「藤間にもヤらせるつもりだったのか?ずいぶん節操ねぇな」
「ひ…っ、ぁ」
前も後ろも、イイところばかりを容赦なく刺激されて、乱暴なくらいの強さで腰を打ち付けられる。
快楽が強すぎて、ただただ、ブラッドの背中を強く抱きしめる。
「イ…、……あっ、…はぁ…っ、…め……、っ……また、イッ……」
「好きなだけイッていいぜ。…そうしてほしいんだろ?」
「っ…あぁっ……」
焦点が合ってない紅い瞳がら、大粒の涙が零れる。
嗚咽交じりの甘ったるい喘ぎ声が、ブラッドを煽る。
「は、っ………ぁ、っ………ぁん、めて……っ、……いや」
「嘘つきだな」
首筋に喰いつくみたいにキスをして、赤い痕を落とす。
黒髪を長い指で乱すように撫でて、掴んで…深いところを執拗に突いてやる。
「イ、っ……ぁん、っ……ひ」
「そんなに俺に責められたいか…レイン」
腕の中でただ翻弄されるがままのレインは、苦しいくらいの快楽に喘いで、答えられる状態なんかじゃない。
まして、フォースに飢えた今の彼に、正常な意識があるのかどうかなんて解らない。
だけど…。
ブラッドが眉根を寄せた。
はっきり言って、頭にきてる。
こいつが複数を相手にヤッたってことは、すこし身体に触れればわかる。
望んでじゃないだろう。そんなことは解ってる。
フォースが尽きる寸前まで、俺になんの助けも求めてこなかった。
それがどんな結果を生むのかなんて、こいつが一番わかってるはずなのに。
知られちゃいけないことだった。
李でさえ知らない、レインの最大の欠点。
それをよりによって、あいつの――――藤間の前で。
なにより。
嘘をついた。
俺にだけじゃない――――全員に。
自分で仕組んだ今度の件が、中央にバレる可能性にだっておまえは気づいていて、十中八九そうなると、解っていたはずだ。
それでも強行した。
まるで、自分で自分を追い込むみたいに…。
「そうじゃないだろう」
「っ…、あ、っ…んン」
「なんでだ、レイン」
わかってる。
こいつは不安なんだ。
自分が変わってしまうことが。
自分が大切な誰かを殺してしまうんじゃないかという恐怖が――――頭から離れないんだ。
解ってる。…俺は。
――――わかってるんだ。
「なんで一人で抱え込む」
抱き寄せて――――耳朶を齧る。
「おまえは…そんなに強くないだろ…レイン」
「っ……ん、っ……」
「意地張った結果だ、莫迦」
「…、っ……あ……」
荒い、息。
ブラッドのものが中に放たれて、レインが強く瞳を綴じた。
乾いていたものが、満たされていく感覚。
絶頂の快感にも似た強烈なこの感覚を、身体はいつも…求めてしまう。
能力者のフォースが注ぎ込まれるから。理屈はそうかもしれない。
だけど――――。
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